天台宗は、平安時代以来の長い歴史を持つ宗教です。
そのため、現在でも多くの葬儀が天台宗の形式で執り行われています。
今回は天台宗の葬儀の流れや特徴、マナーについて解説します。
天台宗の葬儀の特徴
前提として、天台宗は仏教の宗派の一つであり、法華経を経典としています。
そして、天台宗の葬儀においては、以下の3つが重視されることが特徴です。
①顕教法要(けんぎょうほうよう)
経典である法華経を唱えることで、自己の内にある仏性を高めることを目指します。
②例時作法(れいじさほう)
法華経を唱えることで、死後に極楽へ行くことおよび現世も極楽のように素晴らしくするという祈願を行います。
③密教法要(みっきょうほうよう)
故人に対し、印を作り真言(仏のことば)を唱えます。故人が極楽に行くことを目的としています。
天台宗の葬儀におけるマナー
天台宗の葬儀におけるマナーとして、まず天台宗の焼香作法は明確に定められているわけではありませんが、基本的に3回行います。
線香を使う場合は、1本か3本になります。1本の場合は真ん中に、3本の場合は真ん中にたてた1本の後ろに残りの2本をたてます。
そして、最も特徴的なのは数珠です。
天台宗では、他の宗派でよく見られるような丸い玉を重ねた数珠は用いず、専用の楕円形の平たい数珠を用います。
天台宗の葬儀の流れ
天台宗の葬儀は、以下の流れで行われます。
①通夜
故人が亡くなった後に行われ、誦経などが行われます。
また、剃度式(ていどしき)という儀式が行われますが、これは水やお香を使って故人の身をお浄めするものです。
文字通り髪の毛にもかみそりをあてますが、実際に剃髪をすることはほとんどありません。
剃度式が終わった後には戒名が与えられます。
②葬儀
導師を中心に「列讃(れっさん)」が行われます。
穏やかな曲や打楽器が鳴らされる中、故人が阿弥陀如来に迎えられること(成仏)を祈願します。
また、列讃の後には、「奠湯(てんとう)」「奠茶(てんちゃ)」という儀式があります。
列讃後、棺が閉ざされるのですが、その後に茶器を供えます。
そして、導師によって引導が渡されたのち、たいまつや線香などによって空中に梵字が描かれます。
故人を称える文が唱えられ、弔辞などを読んだ後に読経を行うことになります。
最後に回向文が唱えられて、葬儀は終わります。
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